
「また姿勢悪くなってるよ!」
「背中伸ばして!」
「ちゃんと座りなさい!」
子どもに、こんな声をかけたことはありませんか?
ご飯を食べているとき。
宿題をしているとき。
ゲームをしているとき。
気づけば背中が丸くなっている。
椅子からずり落ちるように座っている。
頬杖をついている。
すると大人としては、つい、
「姿勢を良くしなさい」
と言いたくなります。
でも、ATHBASEスポーツ教室で子どもたちの身体を見ていると、
姿勢の問題を「本人の意識」だけで考えるのは少し違う
と感じます。
なぜなら、姿勢は単純に「背筋を伸ばせば完成」というものではないからです。
今回は、
なぜ子どもの姿勢は崩れるのか?
というところから考えてみます。
そもそも「良い姿勢」って何だろう?
「姿勢が良い」と聞くと、
背筋がピンと伸びている。
胸を張っている。
真っすぐ座っている。
そんな姿を想像するかもしれません。
でも、人間はずっと同じ姿勢で生活しているわけではありません。
立つ。
座る。
しゃがむ。
歩く。
走る。
物を取る。
振り返る。
身体は常に変化しています。
だから僕は、子どもの姿勢を見るとき、
「きれいな形をずっと保てるか」だけでは見ません。
大切なのは、
その場面に合わせて、自分の身体を支えたり、姿勢を変えたりできること。
だと考えています。
子どもの姿勢が崩れる理由は一つではない
姿勢が崩れている子を見ると、
「体幹が弱いんじゃない?」
と思われることがあります。
確かに身体を支える能力は関係します。
でも、それだけとは限りません。
例えば、
椅子や机が身体に合っていない。
長時間同じ姿勢で座っている。
身体を動かす時間が少ない。
疲れている。
何かに集中して身体が前へ寄っている。
その姿勢が本人にとって楽になっている。
いろいろなことが考えられます。
つまり、
「姿勢が悪い=○○が弱い」
と一つの原因に決めつけることはできません。
大人だって、ずっと「良い姿勢」ではいられない
少し考えてみてください。
大人でも、
デスクワークを1時間。
2時間。
3時間。
と続けていたらどうでしょう。
最初は姿勢を意識していても、
少しずつ背中が丸くなったり、
脚を組んだり、
肘をついたり、
身体を左右に傾けたりします。
それは子どもも同じです。
むしろ子どもは、
動くことが自然な存在です。
それなのに、
「ずっと真っすぐ座っていなさい」
と求めること自体が難しい場合もあります。
「姿勢が悪いから動けない」だけではない
ここは、運動教室として伝えたいところです。
姿勢と運動を考えると、
「姿勢を良くしてから運動する」
という順番をイメージするかもしれません。
でも、
身体を動かす経験そのものが、姿勢をコントロールする経験にもなります。
例えば、クマ歩き。
手と足で身体を支えながら移動します。
片脚立ち。
小さな支持面の上で、自分の身体をコントロールします。
ジャンプからの着地。
動いている身体を止めて、姿勢を整えます。
ボールを投げる。
身体をひねりながらバランスを保ちます。
障害物を越える。
環境に合わせて身体の形を変えます。
こうした運動の中では、
「背筋を伸ばしなさい!」
と言わなくても、
子どもは自然と自分の身体を支え、動かし、立て直す経験をしています。
姿勢は「止まっているとき」だけの話ではない
ATHBASEで姿勢を考えるとき、
僕はここをとても大切にしています。
姿勢というと、
座っている姿。
立っている姿。
を思い浮かべがちです。
でもスポーツでは、
走りながら。
跳びながら。
投げながら。
相手とぶつかりながら。
姿勢をコントロールし続けています。
例えばジャンプして着地した瞬間。
バランスを崩れたところから立て直す。
サッカーで相手と接触した瞬間。
身体が傾いてもプレーを続ける。
これも広い意味では、
身体をコントロールする力
です。
だから、
「良い姿勢=動かないできれいな姿勢」
だけではありません。
子どもに必要なのは「姿勢を固定すること」?
僕たちが子どもたちに身につけてほしいのは、
ずっと同じ姿勢を保つ能力だけではありません。
むしろ、
身体を大きく動かす。
バランスを崩す。
また戻す。
違う姿勢になる。
そこから動き出す。
そういった経験もたくさんしてほしいと思っています。
なぜなら実際の生活もスポーツも、
身体を固定したまま行うものではないからです。
「姿勢を良くしなさい」で一瞬直る。でも……
子どもに、
「姿勢!」
と言うと、
一瞬ピシッとすることがあります。
でも数分後。
また元に戻る。
そして、
「さっき言ったでしょ!」
となる。
これは珍しいことではありません。
もちろん、声をかけること自体が悪いわけではありません。
ただ、
何度言っても戻ってしまうなら、
「本人が意識していないから」以外の視点
も持ってみてほしいと思います。
長く座りすぎていないかな?
机と椅子は合っているかな?
今日は疲れていないかな?
普段、身体を大きく動かしているかな?
いろいろな姿勢を経験しているかな?
こうやって見ると、
「姿勢を良くしなさい!」
以外にもできることが見えてきます。
「姿勢が悪い=すぐ直さなければ」と焦らなくていい
子どもの姿勢を見ると、
将来猫背になるのでは?
身体に悪いのでは?
運動能力が落ちるのでは?
と心配になることもあると思います。
ただ、一場面だけを見て、
「この姿勢だから、この子には問題がある」
と判断する必要はありません。
姿勢は、
環境。
活動。
疲労。
身体の成長。
その日の状態。
さまざまな影響を受けます。
大切なのは、
写真のような一瞬の「形」だけではなく、
いろいろな姿勢を取れるか、そこから自分で身体を動かせるか
という視点も持つことです。
ATHBASEでは「姿勢だけ」を練習しない
ATHBASEには「姿勢・運動クラス」があります。
でも、
毎回子どもたちを真っすぐ立たせて、
「この姿勢をキープしましょう」
と練習しているわけではありません。
ATHBASEがホームページでも大切にしているのは、テクニックだけではなく、体幹・バランス・動きのコントロールを通した「身体の使い方」そのものを育てることです。Athbase
走る。
跳ぶ。
支える。
這う。
投げる。
バランスを取る。
止まる。
方向を変える。
さまざまな運動をする中で、
自分の身体を自分でコントロールする経験
を増やしていきます。
「きれいな姿勢」より「姿勢を変えられる身体」へ
子どもは動きます。
座っていても動きます。
立っていても動きます。
スポーツをすれば、もっと大きく動きます。
だからこそ、
ずっと一つの「正しい形」に押し込むことよりも、
いろいろな姿勢を経験して、その状況に合わせて身体をコントロールできること。
そこを大切にしたいと思っています。
もちろん、
座る場面では座る。
話を聞くときには身体を落ち着かせる。
必要な場面で姿勢を整える。
こうしたことも大切です。
でもそれも、
「ずっと固まっていられること」とは少し違います。
子どもの姿勢が気になったら、まず「動き」を見てみよう
「うちの子、姿勢が悪くて……」
そんなとき、
座っている姿だけではなく、
ぜひ身体を動かしているところも見てみてください。
片脚で立てるかな?
しゃがめるかな?
転がれるかな?
手で身体を支えられるかな?
ジャンプして止まれるかな?
いろいろな方向へ動けるかな?
そこには、
座っている姿だけでは分からない、
その子の身体の使い方
がたくさん表れています。
「姿勢を良くしなさい」の前に、身体をたくさん使おう
姿勢が気になると、
つい「形」を直したくなります。
でも子どもの身体づくりを考えるなら、
まずは、
走る。
跳ぶ。
支える。
登る。
転がる。
しゃがむ。
バランスを取る。
いろいろな身体の使い方を経験する。
その中で、
自分の身体がどこにあるのか。
どうすれば支えられるのか。
どうすればバランスを戻せるのか。
子ども自身が少しずつ学んでいく。
僕は、そんな経験も大切だと思っています。
「姿勢を良くしなさい」と言い続ける前に、身体を使う経験を増やしてみる。
姿勢を「形」だけで見るのではなく、
自分の身体をコントロールする力として見る。
ATHBASEスポーツ教室では、これからも十勝・帯広の子どもたちに、さまざまな運動を通して「自分の身体を使う楽しさ」を伝えていきたいと思います。
ATHBASEスポーツ教室
北海道帯広市西13条北5丁目1番地12
年少から中学生・高校生まで、成長段階に合わせたクラスを用意しています。
ATHBASEスポーツ教室では理学療法士・認定スクールトレーナーが、子ども一人ひとりの成長に合わせた運動を行っています。