
「女の子は、いつから身体づくりを考えたらいい?」
そう聞かれたら、
「まだ小学生だから大丈夫」
と思う方もいるかもしれません。
でも、実は子どもの骨は、大人になってから突然できあがるわけではありません。
成長期に少しずつ大きくなり、強くなり、
その先の身体へとつながっていきます。
特に女の子では、
初経を迎える前後を含む成長期は、骨の発達を考えるうえで大切な時期です。
だからこそ今回は、
「女の子の成長期と運動」
について考えてみたいと思います。
骨は「大人になってから」つくるものではない
骨はずっと同じ状態ではありません。
子どもの身体が成長するのと同じように、
骨も長くなり、
太くなり、
そして骨の中のミネラルも増えていきます。
研究では、女の子の骨の変化は特に、
初経の前後1年ほどの時期に大きい
ことが報告されています。
つまり、
「いつか大人になったら考えればいい」
というものではなく、
成長している今の身体に、どんな刺激を与えるか
も大切だということです。
「初経前」が特別な理由
ここで一つ大切なことがあります。
「初経前が一番大事だから、初経前だけ頑張ればいい」
という意味ではありません。
骨の発達は、幼児期から思春期、そしてその後まで続いていきます。
ただ、
成長期には骨が大きく変化するため、この時期の生活習慣や運動習慣が重要になる
と考えられています。
実際、成長期の子どもを対象とした研究では、
走る、跳ぶ、着地するなどの「体重を支える運動」が骨の発達に良い影響を与えることが報告されています。
「走る・跳ぶ」が骨への刺激になる
では、
どんな運動がいいのでしょうか?
特別な器具が必要なわけではありません。
例えば、
走る。
ジャンプする。
片足で跳ぶ。
スキップする。
階段を上る。
鬼ごっこをする。
こうした、
自分の身体を支えながら動く活動
には、骨に機械的な刺激が加わります。
特にジャンプのような衝撃を伴う運動については、子どもや思春期の女子を対象とした研究で、骨量・骨密度への良い影響が報告されています。
実際に「ジャンプ」の研究もある
2001年にFuchsらが行ったランダム化比較試験では、思春期前の子どもたちを対象に、7か月間のジャンプ運動を実施しました。
その結果、
ジャンプ運動を行った子どもたちでは、股関節や腰椎の骨量の増加が対照群より大きくなりました。
また、女の子を対象とした学校でのジャンプ運動の研究でも、骨の構造や骨強度に関係する変化が報告されています。
つまり、
「ジャンプなんて遊びでしょ?」
と思うような動きにも、
成長期の身体にとって意味のある刺激がある
ということです。
「運動=筋肉を鍛える」だけじゃない
子どもの運動というと、
「筋力をつける」
「足を速くする」
「スポーツを上手にする」
というイメージが強いかもしれません。
でも、運動にはもう一つの大切な役割があります。
それが、
身体に刺激を与えること。
走る。
跳ぶ。
着地する。
方向を変える。
転ぶ。
起き上がる。
こうした動きを経験することで、
筋肉だけではなく、
骨や関節、神経系なども含めて身体全体が刺激を受けます。
だから「いろいろな動き」が大切
ここで、
「じゃあ毎日ジャンプさせればいいの?」
となりますが、
もちろん、それだけではありません。
大切なのは、
いろいろな動きを経験すること。
例えば、
走る。
跳ぶ。
投げる。
捕る。
転がる。
登る。
くぐる。
支える。
バランスを取る。
こうした経験を重ねることで、
子どもは少しずつ、
「自分の身体をどう動かせばいいのか」
を学んでいきます。
女の子だから「激しい運動」が必要、ではない
ここは誤解してほしくありません。
「女の子は骨のために激しいトレーニングをしなければいけない」
という話ではありません。
むしろ、
楽しく身体を動かすことを習慣にすること
が大切です。
鬼ごっこ。
縄跳び。
ジャンプ遊び。
かけっこ。
ボール遊び。
公園遊び。
こうした活動でも、
身体にはさまざまな刺激が入ります。
ただし「運動しすぎ」も考えたい
一方で、
スポーツを頑張る女の子には、別の視点も必要です。
運動そのものは大切ですが、
運動量に対して、食事や休養が足りない状態
が続くと、成長や月経、骨の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に競技スポーツを頑張っている女の子では、
「もっと練習しなきゃ」
と運動量だけが増えてしまうことがあります。
でも、
身体を育てるためには、
運動・栄養・休養
のバランスが必要です。
これはATHBASEでも大切にしたい考え方です。
「スポーツをしているから大丈夫」でもない
サッカーをしている。
バスケットボールをしている。
バレーボールをしている。
陸上をしている。
だから、
「十分に身体を動かしている」
とは限りません。
もちろん競技スポーツは、とても大切な運動経験です。
でも、
同じ競技の動きばかりになってしまうと、
経験する動きにも偏りが出ることがあります。
だからこそ、
競技とは少し違う動きも経験しておく。
走る。
跳ぶ。
転がる。
支える。
投げる。
バランスを取る。
こうした経験が、
結果的に競技を支える身体にもつながっていきます。
「初経が来たら身体づくり」では遅い?
もちろん、
初経を迎えてからでも身体は成長します。
だから、
「初経前に全部やっておかなければいけない」
ということではありません。
ただ、
骨の発達を考えると、
成長期に入ってから慌てて考えるのではなく、もっと前から日常的に身体を動かしておく
という考え方には意味があります。
運動を特別なものにしない。
身体を動かすことを、
当たり前の生活の一部にする。
それが大切なのだと思います。
ATHBASEが大切にしていること
ATHBASEスポーツ教室では、
「女の子だから、このトレーニング」
という指導はしていません。
年齢や発達段階、その子の動きに合わせて、
走る。
跳ぶ。
止まる。
転がる。
支える。
投げる。
捕る。
バランスを取る。
さまざまな動きを経験してもらいます。
そして、
「運動しなさい」ではなく、「身体を動かすって楽しい」
と思ってもらえることを大切にしています。
子どもの頃の運動は、今だけのためじゃない
子どもの運動というと、
「運動会で速く走るため」
「スポーツが上手になるため」
という目的で考えがちです。
もちろん、それも大切です。
でも、
子どもの身体は今だけのものではありません。
今つくっている身体が、
10年後、20年後の身体につながっていきます。
だからこそ、
成長期に身体を動かす習慣をつくる。
そして、
走る、跳ぶ、支える、バランスを取る。
いろいろな身体の経験を積む。
それは、
「今の運動能力」のためだけではなく、
これから長く付き合っていく自分の身体の土台づくり
にもなるのではないでしょうか。
「女の子だから」ではなく、「成長している身体だから」
今回の記事で一番伝えたいのは、
「女の子は特別に運動した方がいい」
ということではありません。
成長している身体には、
成長している身体だからこそ必要な刺激がある。
その中でも、
女の子は初経前後に骨が大きく変化する時期がある。
だから、
もっと早い段階から、楽しく身体を動かす習慣をつくっておく。
ATHBASEでは、
そんな身体づくりを大切にしています。
「うちの子、運動が苦手かも」
「スポーツを始めたけれど、身体の土台もつくってあげたい」
「女の子の成長期の身体づくりについて知りたい」
そんな方は、ぜひ一度ATHBASEスポーツ教室の運動を体験してみてください。
おうちでも「跳ぶ」遊びを楽しむなら
子どもの運動は、特別なトレーニングだけでなく、日常の遊びの中で身体を動かすことも大切です。
「外で遊ぶ時間がなかなか取れない」
「雨の日でも身体を動かしてほしい」
そんなときに、家庭で取り入れやすい遊びの一つがジャンプ遊びです。
ジャンプを繰り返しながら、
・身体を上下に動かす
・バランスを取る
・着地をコントロールする
・身体の位置を感じる
といった経験ができます。
もちろん、これさえすれば「骨が強くなる」という単純な話ではありません。
大切なのは、子どもが楽しみながら、日常的に身体を動かす機会を増やすこと。
「今日は何して遊ぼう?」
というときの選択肢の一つとして、家庭に取り入れてみるのもいいかもしれません。
👇おうちで楽しく「跳ぶ」遊びを取り入れたい方はこちら
参考にした主な研究
・Fuchs RK, Bauer JJ, Snow CM. Jumping improves hip and lumbar spine bone mass in prepubescent children: a randomized controlled trial. Journal of Bone and Mineral Research. 2001.
・Petit MA, et al. A randomized school-based jumping intervention confers site and maturity-specific benefits on bone structural properties in girls. Journal of Bone and Mineral Research. 2002.
・McKay HA, et al. A school-based exercise intervention elicits substantial bone health benefits: a 2-year randomized controlled trial in girls. Journal of Bone and Mineral Research. 2005.
・Nikander R, et al. Effects of weight-bearing exercise on bone health in girls: a meta-analysis. Osteoporosis International. 2013.
・Klentrou P. Influence of Exercise and Training on Critical Stages of Bone Growth and Development. Pediatric Exercise Science. 2016.
・Hammami A, et al. Effects of the Type of Exercise Training on Bone Health Parameters in Adolescent Girls: A Systematic Review. 2023.
子どもの身体は、
「大人になってから」つくるものではありません。
今日走ったこと。
今日跳んだこと。
今日転んで、また立ち上がったこと。
そんな一つひとつの身体経験が、
これからの身体の土台になっていきます。