
「ジャンプしてみて!」
そう言われたら、子どもは簡単に跳べるように見えます。
でも、実はジャンプって、
かなり複雑な全身運動です。
跳ぶ。
着地する。
そして、次の動きにつなげる。
この一連の動きの中に、子どもの身体づくりに大切な要素がたくさん詰まっています。
「ジャンプ=脚力」ではない
ジャンプというと、
「脚の力が強い子ほど高く跳べる」
と思われがちです。
もちろん、脚の筋力は必要です。
でも、それだけではありません。
ジャンプするときには、
腕を振る。
身体を沈める。
地面を押す。
身体全体を連動させる。
そして、
空中で身体をコントロールする。
たった一回のジャンプでも、身体のいろいろな部分が協力しています。
だからジャンプは、
「脚を鍛える運動」ではなく、「身体を連動させる運動」
と考えることもできます。
そして、実は「着地」が大切
ジャンプで見落とされやすいのが、
着地です。
高く跳べても、
「ドン!」
と着地して、そのままバランスを崩してしまったらどうでしょう。
ジャンプは、
「高く跳ぶ」
だけでは終わりません。
着地した瞬間に、
身体に加わった力を受け止める必要があります。
膝や股関節を使って身体を沈めたり、
足の裏で地面を感じたり、
身体が倒れないようにバランスを取ったり。
つまり、
「力を出す」だけでなく、「力を受け止める」ことも必要です。
「力を出す」と「力を受け止める」
これはスポーツでも、とても重要です。
例えばサッカー。
走る。
↓
急に止まる。
↓
方向を変える。
↓
また走る。
バスケットボールなら、
走る。
↓
ジャンプする。
↓
着地する。
↓
次の動きへ。
野球でも、
踏み込む。
↓
身体を回す。
↓
ボールを投げる。
↓
身体を止める。
スポーツでは、
「動く」だけではなく、「止まる」ことも必要です。
そのためには、
身体を動かす経験と同時に、
身体をコントロールする経験
が必要になります。
ジャンプは「バランス」の練習にもなる
着地したあと、
ピタッ。
と止まれるでしょうか?
実はこれも、簡単なことではありません。
ジャンプから着地すると、
身体は一瞬、不安定になります。
そこで、
足の裏で地面を感じる。
身体の位置を調整する。
膝や股関節を使う。
体幹を安定させる。
そして、
次の動きへ移る。
ジャンプには、
「動いている身体を安定させる」
という経験も含まれています。
「ジャンプが苦手=脚の力が弱い」ではない
ここも大切です。
例えば、
「うちの子、ジャンプが苦手なんです」
という場合。
単純に脚の筋力が弱いとは限りません。
・腕の使い方がわからない
・身体をうまく沈められない
・地面を押すタイミングが合わない
・身体を固めすぎてしまう
・着地でバランスを崩してしまう
など、
いろいろな理由が考えられます。
だからこそ、
「もっとジャンプさせよう!」
だけではなく、
「どこで困っているんだろう?」
と見ることが大切です。
研究でも「ジャンプ」の効果が調べられている
ジャンプのような運動は、
「子どもが楽しめる動き」
というだけではありません。
成長期の骨への刺激という面でも研究されています。
Fuchsらのランダム化比較試験では、思春期前の子どもたちが7か月間、週3回のジャンプ運動を行った結果、股関節や腰椎などの骨量の増加が対照群より大きくなりました。
また、学校でジャンプ運動を取り入れた研究でも、成長期の子ども、とくに女子において骨の構造や骨密度への効果が報告されています。
つまり、
「跳ぶ」というシンプルな動きにも、成長期の身体にとって意味のある刺激がある
ということです。
※もちろん、ジャンプだけをすれば身体がすべて良くなる、という意味ではありません。
大切なのは「ジャンプだけ」ではない
ここがATHBASEで一番伝えたいところです。
ジャンプが大切だからといって、
毎日ジャンプだけを練習すればいいわけではありません。
走る。
跳ぶ。
転がる。
くぐる。
登る。
投げる。
捕る。
支える。
バランスを取る。
いろいろな動きを経験する。
その中の一つとして、
ジャンプがある。
そう考えています。
同じ「ジャンプ」でも、やり方はたくさんある
例えば、
両足で跳ぶ。
片足で跳ぶ。
前に跳ぶ。
横に跳ぶ。
高く跳ぶ。
低く跳ぶ。
跳んで止まる。
跳んですぐ走る。
障害物を跳び越える。
友達と一緒にゲームの中で跳ぶ。
同じジャンプでも、
やり方が変われば身体への要求も変わります。
だからATHBASEでは、
「何回ジャンプしたか」
だけを大切にしているわけではありません。
「できた!」を増やすために、いろいろな動きを経験する
最初は、
うまく跳べない。
着地するとふらつく。
タイミングが合わない。
そんなこともあります。
でも、
少し低いところから。
少し遠くへ。
友達と一緒に。
遊びながら。
何度も身体を動かしているうちに、
ある瞬間、
「できた!」
が生まれます。
そして、
「もう一回やってみたい!」
につながる。
この経験が大切だと思っています。
ATHBASEが考える「身体の土台」
ATHBASEスポーツ教室では、
特定のスポーツだけに必要な動きを教えることを目的にはしていません。
サッカーが上手になるためだけ。
野球が上手になるためだけ。
走るのが速くなるためだけ。
ではありません。
その先にある、
「自分の身体を、自分で使えるようになること」
を大切にしています。
だから、
走る。
跳ぶ。
止まる。
転がる。
投げる。
支える。
バランスを取る。
いろいろな動きを経験します。
ジャンプは「高く跳ぶため」だけじゃない
ジャンプには、
力を出す。
身体を連動させる。
空中で身体をコントロールする。
着地で力を受け止める。
バランスを取る。
という、たくさんの経験が詰まっています。
だからこそ、
子どもの身体づくりを考えるとき、
「ジャンプ」というシンプルな動きにも、目を向けてほしいと思っています。
子どもの身体は「いろいろな経験」の中で育っていく
特別なトレーニングを始めることだけが、
身体づくりではありません。
遊びながら、
走って。
跳んで。
転んで。
起き上がって。
また挑戦する。
そうした一つひとつの経験が、
少しずつ身体の使い方につながっていきます。
ATHBASEでは、
そんな「動きの経験」を大切にしています。
「うちの子、運動が苦手かも」
「スポーツを始めたけれど、身体の使い方が気になる」
「いろいろな運動を経験させてあげたい」
そんな方は、ぜひ一度ATHBASEスポーツ教室の運動を体験してみてください。
おうちでも「跳ぶ」遊びを楽しむなら
子どもの運動は、特別なトレーニングだけでなく、日常の遊びの中で身体を動かすことも大切です。
「外で遊ぶ時間がなかなか取れない」
「雨の日でも身体を動かしてほしい」
そんなときに、家庭で取り入れやすい遊びの一つがジャンプ遊びです。
ジャンプを繰り返しながら、
・身体を上下に動かす
・バランスを取る
・着地をコントロールする
・身体の位置を感じる
といった経験ができます。
もちろん、これさえすれば「骨が強くなる」という単純な話ではありません。
大切なのは、子どもが楽しみながら、日常的に身体を動かす機会を増やすこと。
「今日は何して遊ぼう?」
というときの選択肢の一つとして、家庭に取り入れてみるのもいいかもしれません。
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参考文献
- Fuchs RK, Bauer JJ, Snow CM. Jumping improves hip and lumbar spine bone mass in prepubescent children: a randomized controlled trial. Journal of Bone and Mineral Research. 2001.
- Petit MA, et al. A randomized school-based jumping intervention confers site and maturity-specific benefits on bone structural properties in girls. Journal of Bone and Mineral Research. 2002.
- MacKelvie KJ, et al. Bone mineral response to a 7-month randomized controlled, school-based jumping intervention in 121 prepubertal boys. Journal of Bone and Mineral Research. 2002.
- McDonough DJ, Liu W, Gao Z. Effects of Physical Activity on Children’s Motor Skill Development: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials. BioMed Research International. 2020.
- Yang Y, et al. A meta-analysis of the effect of physical activity programs on fundamental movement skills in 3–7-year-old children. 2025.