
こんにちは!北海道帯広市にあるATHBASEスポーツ教室の河江将司です。
私たちは、子どもたち一人ひとりの『動きの土台』を育てる教室として、日々子どもたちと向き合っています。
保護者の方から、こんな相談を受けることがあります。
- 「何もないところでよく転ぶんです。」
- 「片足立ちが苦手です。」
- 「椅子に座っているとすぐ姿勢が崩れてしまいます。」
- 「ブランコが大好きで、いつまでも乗っています。」
- 「逆に、回る遊びやブランコを怖がります。」
このような姿を見て、「運動神経が悪いのかな?」と心配になる方も多いと思います。
しかし、その背景には「前庭覚(ぜんていかく)」という感覚が関係していることがあります。
今回は、子どもの運動能力や姿勢、集中力にも深く関わる「前庭覚」について、理学療法士の視点から分かりやすく解説します。
前庭覚とは?
前庭覚とは、
「身体の傾き」「スピード」「回転」「重力」を感じる感覚です。
この感覚は、耳の奥にある「前庭(ぜんてい)」という場所で感じ取っています。
例えば、
- 身体が右に傾いた
- 前に進んでいる
- ジャンプした
- 回転している
- 止まった
このような情報を脳へ伝えてくれています。
つまり前庭覚は、
身体のバランスを保つためのセンサー
とも言える大切な感覚です。
前庭覚は毎日使っています
前庭覚は特別な場面だけで働くわけではありません。
例えば、
朝起き上がる。
階段を下りる。
走る。
ジャンプする。
ブランコに乗る。
滑り台を滑る。
寝返りをする。
これらすべてで前庭覚が働いています。
私たちは意識していませんが、毎日何百回、何千回と使っている感覚なのです。
前庭覚が育つとどんな力が身につく?
前庭覚は、子どもの発達にさまざまな影響を与えます。
例えば、
バランスを保つ力
転びにくくなる。
片足立ちが安定する。
平均台を歩けるようになる。
良い姿勢を保つ力
座っている姿勢。
立っている姿勢。
身体を支える力。
これらにも前庭覚は関係しています。
目をスムーズに動かす力
前庭覚は目の動きとも深く関係しています。
そのため、
・ボールを目で追う
・黒板を見る
・文字を読む
といった動きにも影響します。
集中力
姿勢が安定すると、
身体を支えることに使っていたエネルギーを、
遊びや勉強へ向けられるようになります。
その結果、
集中しやすくなる子もいます。
もちろん、集中力には睡眠や環境、興味など多くの要因が関わるため、前庭覚だけで決まるわけではありません。
こんな様子はありませんか?
前庭覚の感じ方には個人差があります。
例えば、
よく転ぶ
何もないところでつまずく。
方向転換が苦手。
走るとバランスを崩しやすい。
姿勢が崩れやすい
椅子に座るとすぐ寄りかかる。
机に伏せてしまう。
身体を支え続けることが苦手。
ブランコや回る遊びが大好き
もっと速く!
もっと高く!
何度でも回りたい!
そんな子もいます。
身体を動かすことで感覚をたくさん得ようとしている可能性があります。
ブランコが怖い
逆に、
少し揺れるだけで怖がる子もいます。
滑り台を嫌がる。
高いところを避ける。
こうした姿が見られる場合もあります。
もちろん、性格や過去の経験も影響するため、一概には言えません。
前庭覚は遊びの中で育つ
前庭覚は、
特別なトレーニングよりも、
遊びの中で自然に育つ感覚です。
おすすめの遊びは、
・ブランコ
・滑り台
・シーソー
・鉄棒
・ジャングルジム
・マットでゴロゴロ転がる
・でんぐり返し
・ケンケン
・縄跳び
・鬼ごっこ
どれも前庭覚をたくさん刺激してくれます。
子どもが夢中になって遊ぶ時間は、
身体だけではなく、脳も育てています。
前庭覚を大切にする理由
ATHBASEスポーツ教室では、
前庭覚を育てる活動をたくさん取り入れています。
例えば、
走る。
跳ぶ。
回る。
くぐる。
転がる。
バランスをとる。
こうした動きを組み合わせながら、
子どもたちは楽しそうに遊んでいます。
一見すると「遊んでいるだけ」に見えるかもしれません。
しかし、その遊びの中では、
前庭覚だけでなく、
触覚や固有受容覚など、さまざまな感覚を使っています。
そして、
その感覚が脳で整理されることで、
身体を思い通りに動かす力へとつながっていきます。
ATHBASE発達モデルで考える前庭覚
ATHBASEスポーツ教室では、子どもの発達を次のように考えています。
8つの感覚
↓
感覚統合
↓
7つのコーディネーション能力
↓
基本動作
↓
運動能力
↓
思い通りに身体を動かせる
↓
自己肯定感
↓
子どもの未来
前庭覚は、この一番最初にある「8つの感覚」の一つです。
だからこそ、
私たちは「走る練習」だけではなく、
感覚を育てる遊びを大切にしています。
土台が育つことで、
その先の運動能力も伸びやすくなると考えています。
まとめ
前庭覚とは、
身体の傾きや回転、スピード、重力を感じる大切な感覚です。
この感覚は、
バランスや姿勢だけではなく、
目の動きや身体のコントロールにも関わっています。
もちろん、「よく転ぶ」「姿勢が崩れやすい」といった様子がすべて前庭覚だけで説明できるわけではありません。
子どもの発達には、体力や筋力、経験、生活習慣、環境など、さまざまな要因が関わります。
だからこそ大切なのは、
子どもの「できないこと」だけを見るのではなく、「なぜそうなるのか」を考える視点です。
ATHBASEスポーツ教室では、一人ひとりの発達に合わせながら、遊びを通して感覚を育て、「できた!」という成功体験を積み重ねています。
「もっと身体を思い切り動かしてほしい」
「運動を好きになってほしい」
そんな方は、ぜひ一度体験教室へお越しください。
子どもたちの「できる!」を一緒に増やしていきましょう。
次回予告
明日は、
「固有受容覚とは?力加減が苦手・字を書くのが苦手な子との関係を理学療法士が解説」
についてお話しします。
「鉛筆を強く握る」「ボールを強く投げすぎる」「よく物にぶつかる」など、一見関係なさそうな行動が、実は固有受容覚と深く関わっていることを分かりやすく解説します。
ATHBASEスポーツ教室 代表 河江 将司
(理学療法士 / 認定スクールトレーナー)
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