子どもの猫背・側弯が増えている本当の理由|「姿勢を正しなさい」では改善しない理由を理学療法士が解説

こんにちは。ATHBASEスポーツ教室の河江将司です。

最近、

「うちの子、猫背が気になります。」
「学校の健診で側弯を指摘されました。」
「姿勢が悪くて心配です。」

というご相談が本当に増えています。

SNSでは、

「スマホが原因」
「ゲームのやり過ぎ」
「姿勢が悪いから」

という情報をよく見かけます。

もちろん、それらも一つの要因です。

しかし、理学療法士として子どもたちを見ていると、それだけでは説明できないケースが非常に多いと感じています。

姿勢不良は、もっと複雑な問題です。

今回は、近年の研究や発達の視点も踏まえながら、「本当の原因」についてお話しします。


猫背や側弯は「結果」である

まず知っていただきたいのは、

猫背や姿勢不良は原因ではなく”結果”だということです。

身体には常に

「一番楽な姿勢」

があります。

もし身体を支える筋肉や感覚が十分育っていなければ、

自然と猫背になります。

つまり、

姿勢だけを直そうとしても根本的な改善にはならないのです。


原因① 咀嚼不足(噛む回数の減少)

現代は昔と比べて、

・柔らかい食べ物
・一口サイズ
・飲み込みやすい食事

が増えました。

その結果、

噛む回数は昔より大きく減っているといわれています。

実は「噛む」ことは、

食べるためだけではありません。

咀嚼によって

・顎の発達
・顔面骨の発達
・首周囲の筋肉
・舌の働き

まで刺激されています。

十分に噛まない生活が続くと、

頭を支える土台が育ちにくくなり、

頭が前へ出る姿勢(頭位前方姿勢)

になりやすいことが知られています。


原因② 裸足で遊ぶ時間が減った

足は身体の土台です。

足裏には非常に多くの感覚受容器があります。

裸足で遊ぶことで

・地面の硬さ

・傾き

・バランス

などを感じています。

しかし現在は、

・靴を履いている時間が長い

・室内遊びが多い

・人工芝や柔らかい床

など、

足裏への刺激が減っています。

その結果、

足のアーチ(土踏まず)の形成や、

姿勢を支える感覚入力が不足し、

全身の姿勢にも影響を与えることがあります。


原因③ 外遊びが減り、感覚が育ちにくくなった

子どもの身体は、

運動で育つというより

“遊び”で育ちます。

特に重要なのが、

前庭感覚

(バランス感覚)

固有受容感覚

(身体の位置を感じる感覚)

です。

昔は

・木登り

・鬼ごっこ

・転ぶ

・ジャンプ

・でこぼこ道を歩く

そんな遊びが毎日のようにありました。

これらは、

姿勢を支える最高のトレーニングだったのです。

しかし現代は、

屋外で遊ぶ時間が減り、

これらの感覚を育てる機会も少なくなっています。

その結果、

姿勢を保つ能力そのものが育ちにくくなっていると考えられます。


原因④ 「見る距離」が固定されている

最近は、

・スマートフォン

・タブレット

・ゲーム

・動画

など、

近い距離を見る時間が非常に長くなっています。

近くを見る姿勢が続くと、

自然と

・首が前へ出る

・肩が丸くなる

・背中が丸まる

姿勢になります。

さらに、

眼球運動のパターンも偏りやすく、

頭や首で代償するクセが身につくことがあります。

もちろんデジタル機器を完全に否定する必要はありません。

大切なのは、

遠くを見る時間

外を見る時間

身体を動かす時間

とのバランスです。


姿勢を正すより「身体が正しく育つ環境」を

猫背を見ると、

つい

「背筋を伸ばしなさい」

と言いたくなります。

しかし、

身体が育っていない状態では、

正しい姿勢は長く続きません。

むしろ、

疲れてしまいます。

だからこそ、

姿勢だけではなく、

身体が育つ環境を整えることが重要なのです。


今日からできる4つのこと

難しいトレーニングは必要ありません。

まずは生活の中で、

① よく噛んで食べる

噛み応えのある食材を取り入れましょう。

② 裸足で遊ぶ時間を作る

芝生、公園、家の中でもOKです。

足裏から脳へたくさん刺激を送りましょう。

③ 外遊びを増やす

鬼ごっこ

木登り

ブランコ

公園遊び

遊びが最高のトレーニングになります。

④ バランス遊びを取り入れる

平均台

片足立ち

ジャンプ

けんけん

ATHBASEスポーツ教室でも、

このような遊びをたくさん取り入れています。


ATHBASEスポーツ教室が考える姿勢づくり

私たちは、

「姿勢を良くする教室」

ではありません。

目指しているのは、

身体が自然と良い姿勢を選べるようになることです。

そのために、

遊びを通して

・足を育てる

・感覚を育てる

・体幹を育てる

・全身を連動させる

そんな身体づくりを大切にしています。

子どもたちは、

「トレーニングをしている」

という感覚はありません。

夢中で遊んでいるだけです。

でも、その遊びの中には、

姿勢を育てるための工夫がたくさん詰まっています。


まとめ

猫背や側弯は、

「姿勢が悪いから」

だけでは説明できません。

食事

遊び

感覚

生活環境

こうした様々な要素が積み重なって、現在の姿勢が作られています。

だからこそ、

「姿勢を正しなさい」

ではなく、

「身体が育つ環境を整える」ことが何より大切です。

ATHBASEスポーツ教室では、理学療法士としての専門知識をもとに、子どもたちが遊びながら自然と身体を育てられる環境づくりを大切にしています。

姿勢は「意識」で変えるものではなく、「育ち」で変わるもの。

その土台づくりを、一緒にサポートしていきたいと思っています。


ATHBASEスポーツ教室 代表 河江 将司
(理学療法士 / 認定スクールトレーナー)

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