「子どもは小さな大人ではない」という絶対的なルール

こんにちは。北海道帯広市を拠点に活動するATHBASE(アスベース)スポーツ教室・整体院代表の河江将司(かわえ まさし)です。

日々、十勝のグラウンドや体育館で一生懸命に練習する子どもたち、そしてそれを支える保護者や指導者の皆様の姿にはいつも頭が下がります。しかし、理学療法士として現場に関わる中で、どうしても見過ごせない「思い込み」があります。

それは、「大人がやっているトレーニングを、量を減らせば子どもにやらせても大丈夫」という考え方です。

ハッキリとお伝えします。子どもの身体は、大人の身体を単に小さくしたものではありません。そこには医学的に無視できない「決定的な構造の違い」があるのです。

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1. 子どもの骨にある「弱点」:骨端線(成長軟骨)

大人の骨はすでに完成しており、非常に強固です。一方で、成長期の子どもの骨には、骨が伸びるための「隙間」のような部分が存在します。これを「骨端線(成長軟骨板)」と呼びます。

この骨端線は非常に柔らかく、脆い組織です。レントゲンで見ると、まるで骨が離れているように見えるほどです。この部分は、骨の成長を司る「工場のライン」のような場所ですが、同時に力学的に最も弱い「弱点」でもあるのです。

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2. 「筋肉」よりも先に「骨」が壊れる理由

大人の場合、激しい運動を続けるとまず「筋肉」が疲労し、筋肉痛や肉離れが起こります。これは、骨が筋肉や腱よりも遥かに強いからです。

しかし、子どもはその逆です。実は、子どもの「腱や靭帯」の強度に比べ、「骨(骨端線)」の強度は遥かに低いのです。

そのため、大人と同じ感覚で特定の動作(走り込み、投げ込み、ジャンプの繰り返しなど)を過度に行うと、筋肉が悲鳴を上げるよりも先に、付着部である柔らかい「骨や軟骨」が剥がれたり、潰れたりしてしまいます

これが、ジュニア期の代表的な怪我である「オスグッド病(膝の痛み)」や「シーバー病(かかとの痛み)」、そして「野球肘」の正体です。これらは筋肉の怪我ではなく、骨の構造が未熟なゆえに起こる「骨の悲鳴」なのです。

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3. 理学療法士が警告する「オーバーユース」の罠

「もっと頑張れ」「練習量は裏切らない」という言葉が、時に子どもの将来を奪うことがあります。

子どもの骨が悲鳴を上げているサイン(痛みや違和感)を無視して練習を強行すると、骨端線が損傷し、最悪の場合、正常な骨の成長が止まってしまう(成長障害)リスクさえあります。

実際に、週に6日以上の練習や、週16時間以上の過度な単一競技の練習は、怪我のリスクを急増させるというデータも存在します。

あのメジャーリーガーの大谷翔平選手でさえ、高校生になっても骨端線が開いていたため、当時の指導者は慎重に負荷をコントロールしていたという有名な話があります。

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まとめ:指導者・保護者に必要な「ブレーキ」

子どもたちは、自分の限界を知りません。期待に応えようと、痛みを隠してでも頑張ってしまうのが子どもです。

だからこそ、私たち大人が「子どもは小さな大人ではない」という絶対的なルールを胸に刻んでおく必要があります。大人のトレーニング理論をそのまま当てはめるのは、大変危険です。

「今、この試合に勝つこと」よりも、「10年後、20年後も大好きなスポーツを最高のコンディションで続けられること」を優先してあげてください。

もし、お子さんが「どこか痛い」と口にしたり、動きにぎこちなさを感じたりしたら、それは筋肉の疲れではなく、骨が上げているSOSかもしれません。その時は勇気を持って休ませる、あるいは私たち専門家にご相談ください。

十勝の子どもたちが、10年後も笑顔でフィールドに立っていられるように。共に、正しい知識で支えていきましょう。

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ATHBASEスポーツ教室 代表 河江 将司 (理学療法士 / 認定スクールトレーナー)

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